
こんにちは、こけしママンです。
先日、NHKの番組『タモリ・山中伸弥の!? 人類進化 新たな謎※』を見ていて、人類の進化についての考え方が、ここ数十年で大きく塗り替えられてきたことを改めて知りました。しかもそれは、遠い昔の話ではなく、私たち自身のDNAの中にも刻まれている話でした。
※2026年9月5日放送
この番組は人類の進化の情報を追いかけている私と長男が二人で楽しみにしており、リアルタイムで家族全員で見ました。途中夫が、「自分たちもネアンデルタール人の子孫ってこと?」と驚いていました。実は現生人類は誰でも、平均して2〜3%程度のネアンデルタール人由来のDNAを受け継いでいると言われています。
変遷していく「人類進化」の考え方


以下の学説の変遷部分は、NHK『タモリ・山中伸弥の!? 人類進化 新たな謎』で紹介されていた内容をもとに、私なりに補足・整理したものです。
世界各地の原人が、それぞれの土地で旧人から新人(ホモ・サピエンス)へ進化した、という考え方。当時はまだDNA解析による裏付けがなく、発掘された骨の形から推察されていました(DNA解析による人類進化研究は1987年のミトコンドリアDNA研究から本格化)。
DNA解析技術の進歩によって主流になった説。ホモ・サピエンスはアフリカで誕生し、約6万年前に少数の集団が旅立ち、世界中へ広がっていったとされています。
ネアンデルタール人のDNA解析やデニソワ人の発見によって②が更新されつつあります。ホモ・サピエンスはヨーロッパのネアンデルタール人、アジアのデニソワ人と交雑し、そのDNAを受け継ぎながら世界中へ広がっていったという研究が進んでいます。たとえば、チベットに住む人々が、高地に適応できているのも、もともとすでにその場に住んできたデニソワ人と交雑し、その遺伝子を受け継いできたためなのだそうです。



番組の中で触れられていたけど、世代によって認識が違うというのも興味深いところで、年配の方は②を知らないまま学び、今の学生さんは①の学説があったことすら知らないそうです。私も①の存在を番組で初めて知りました!



2000年代に次世代シークエンサーっていう、DNAを高速で大量に読み取れる技術が実用化されてから研究がかなり進んだんだよね。
また、ネアンデルタール人やデニソワ人なども、過去にいた古代人類と交雑していた形跡もあり、人類の進化の系統樹自体が、これまでの説のように枝分かれを繰り返してきたものではなく、網の目のようにめぐらされたものだったことが示唆されています。
ネアンデルタール人とデニソワ人とは?
1856年、ドイツのネアンデル谷で発見された旧人類。ヨーロッパから中東にかけて分布し、火や道具を使い、仲間を埋葬する文化も持っていたとされます。ホモ・サピエンスと同じ地域で数万年にわたり共存していましたが、約4万年前に姿を消しました。
2008年、シベリアのデニソワ洞窟で見つかった指の骨から、2010年のDNA解析で存在が判明した人類。長らく化石がほとんど見つからず、容姿は謎に包まれていましたが、2025年、中国・ハルビンで見つかっていた頭骨化石がタンパク質解析によってデニソワ人のものと判明。脳容量は現代人並みに大きく、眉の部分が隆起しているなど、初めてその姿の手がかりが得られました。



この雑誌の表紙が、復元されたデニソワ人の容姿。こういう雰囲気の人、日本でもいるよね。
ネアンデルタール人の遺伝子がホモ・サピエンスにもたらしたもの
デニソワ人が高地適応の能力をチベット人にもたらしたように、ネアンデルタール人も遺伝子の中に様々なものを残してくれています。例えば紫外線から肌を守る働きに関わる遺伝子は、東アジア人の66%が持っていると言われています。日照時間の長い地域で長く暮らしてきたネアンデルタール人由来のこの遺伝子が、今の私たちの肌を守ってくれているのかもしれません。
2020年の大規模な解析研究では、これまで、ほぼ痕跡がないとされてきたアフリカ人にもわずかにネアンデルタール人由来のDNAが見つかり、大陸ごとの差は従来考えられていたよりずっと小さいことも分かってきました。
地域・集団別|DNAの保有率
では、私たち現代のホモ・サピエンスには、彼らのDNAはどれくらい残っているのか、現在分かっている数値で見てみましょう。
| 地域・集団 | DNAの保有率 | |
|---|---|---|
| ネアンデルタール人 | ヨーロッパ人 | 約2% |
| アジア人 | 約2% | |
| アフリカ人 | ごくわずか(近年判明) | |
| デニソワ人 | メラネシア・オセアニア (パプアニューギニアなど) | 約4〜6% |
| 東アジア・南アジアの一部 | 約0.1〜1% | |
| ヨーロッパ人・アフリカ人 | ほぼ検出されない |
ネアンデルタール人の遺伝子も、デニソワ人の遺伝子もわずかであるとは言え、前述のとおり、さまざまな能力を私たちに残しています。



こけしママンの結果は、後半で発表します
2022年ノーベル賞|スバンテ・ペーボ博士が解き明かした人類の交雑史


Photo: National Museum of Scotland / CC BY-SA 4.0
Source: Wikimedia Commons
このデニソワ人のDNAを解析し、新種の人類だと突き止めたのは、スウェーデン出身、ドイツのマックス・プランク進化人類学研究所所長のスバンテ・ペーボ博士のチームでした。博士は今回の番組にも専門家としてVTR出演されていましたが、彼がノーベル生理学・医学賞を受賞したのは2022年のこと——これはネアンデルタール人・デニソワ人、両方のゲノム解読という功績に対して贈られたものです。
ペーボ博士は、絶滅した人類のゲノムを解読する技術を確立し、ネアンデルタール人やデニソワ人のDNAが現生人類に受け継がれていることを明らかにました。まさに学説②から③への転換を、DNAという物的証拠で裏付けた研究者と言えます。



番組の終盤、博士はこんな趣旨のことを語っていました。私たちの祖先は、今よりもずっと姿形の異なる存在だったネアンデルタール人やデニソワ人でさえ、拒まずに受け入れてきた。そうした進化の歴史を振り返ると、今の世界で起きている対立は、なんだか不思議なものに見えてくる——と。この言葉に私は強く感銘を受けました。
Haplo3.0|自分の中のネアンデルタール人DNAを調べてみた
ここからは番組の内容を離れて、私自身がGeneLife Haplo3.0という祖先ルーツ検査キットで、実際に調べてみた結果をご紹介します。


Haplo3.0とは?
自宅で唾液を採取して送るだけの簡単な検査で、ミトコンドリアDNA(母系)・Y染色体(父系※)・常染色体という3種類のDNAを調査。このうち常染色体を調べることで、縄文人やネアンデルタール人と共通する遺伝子が自分のなかにどの程度あるかを数値化してくれます。
※女性はY染色体をもたないため、いかなる遺伝子検査キットでもはっきりと父系をたどる調査はできません。ただし、常染色体から共通する遺伝子を持つ親族を検索することは可能で、Haplo3.0の親族検索でも父親側の親族を探すことができますが、遺伝子の仕組みや規約の制約などで判明しない場合もあります。


実は番組を見るより半年ほど前に、私たちはこの検査を受けて、夫婦二人で結果も見ていました。ネアンデルタール人に関する項目もしっかり記載されていましたが、そこにある「平均」という言葉にひっぱられて、特に夫は何も感じなかったのか、今回の番組を見るまで、自分の祖先にもネアンデルタール人がいるという事実に目を向けておらず、素通りしていたみたいです。
今回、改めて番組がそこに気づかせてくれたので、改めて私たちの検査結果を見てみましょう。
私と夫、そぞれのネアンデルタール人との一致数


私の場合、3,066箇所中222箇所が一致(平均233、ほぼ平均並み)しており、一緒に検査した夫も、3,066箇所中229箇所が一致(平均233、ほぼ平均並み)という結果が出ていました。



222÷3,066で「7.2%がネアンデルタール人」って計算しちゃいそうになったけど、それは間違いだった。3,066か所は膨大なゲノムのうちの一部を抜き出したサンプルであって、割合そのものじゃない。見るべきは平均(233)にどれだけ近いか、なんだよね。



知識を得たうえで改めて結果を見てみると、自分の中に、ネアンデルタール人由来のDNAがわずかでも残っていることが、実はすごいことだと分かった。現代人の体の中に、人類史の軌跡がつまっているともいえる。
夫の直近数百年の推定される先祖の居住地と、私の直近数百年の祖先の居住地は、日本国内で見ても比較的離れています。それでも結果が同程度だったということは、ネアンデルタール人との交雑が数万年前という、私たちのルーツが枝分かれするよりずっと前の出来事だったと考えれば納得できる話です。地域を問わず、日本人にはみんな同じくらいの保有率があるのかもしれません。
バリアントとは?
ここで示されている3,066分の222という数字は、あくまで検査対象になっているバリアントのうち、ネアンデルタール型と一致した数です。バリアントとは、対象のネアンデルタール人と現代人で差が出やすいと分かっている特定のDNA箇所のことを言います。この一致数は実際に受け継いだDNAの量そのものを直接示すわけではなく、あくまで傾向の目安です。
ちなみに多くのこの数字、理論上も満点に近づく人は存在しません。ネアンデルタール人はすでに絶滅していて、今生きているのは交雑した子孫である私たちだけ。しかもその型は世代を重ねるごとにランダムに薄まっていくため、平均並みというのは優劣の話ではなく、そもそも誰もがこの範囲に収まる数字だと考えるのがより正しい考え方と言えます。



絶滅したのに2〜3%のまま変わらないのは、すでに集団の中にその割合が行き渡っているからだよ。新しく混ざる相手がもういないと、薄まることも、濃くなることもないんだ。
デニソワ人の遺伝子を調べたい場合は?
残念ながら、Haplo3.0にはデニソワ人の遺伝子を調べる項目はありません。ただ、前述のとおり、アジア人のほとんどの人にはデニソワ人の遺伝子が検出されるため、ある程度想像することは可能です。
それでもどうしても知りたい!という方は、chatGenProという遺伝子検査キットを使って調べることができます。実際にchatGENE Proで検査した方の結果を見ると、デニソワ人由来DNAは1%未満程度のようでした。
私の場合、日本国内の検査キットの中で総合的な遺伝子検査ができるという点、さらに他社にはない遺伝子親族検索機能に魅力を感じ、Haplo3.0の検査を受けています。他にもどんな遺伝子検査キットがあるか知りたい場合は、比較した記事もありますので、ぜひご参照ください。


まとめ|賢い人ホモ・サピエンスは他者と共存してきたのか
今回は、人類の交雑の歴史とともに、実際に私の中にどれくらいネアンデルタール人の遺伝子が入っているのかを見てきました。実際に数字として確認し、私の体の中にネアンデルタール人の形跡がわずかにでもあると分かると、自分という存在が長い生命の営みの帰結であることの実感がわいてきます。
また、これまで、ホモ・サピエンスは他の人類を絶滅に追いやって勝者として世界中に広がっていったかのようにとらえられていましたが、遺伝子の研究の発展によって、共存してきた歴史が明らかなになりつつあります。18世紀の植物学者カール・フォン・リンネによって提唱された学名ホモ・サピエンス。私たちが本当に「賢い」人類であろうとするならば、今一度、他者との関係を見直し、共存の道をさぐることでさらなる未来を紡ぐことができるのではないでしょうか。



こけしママンは祖先のルーツを追っているわけだけど、今回見てきた通り、ネアンデルタール人やデニソワ人の存在自体が私たちの祖先の歴史っていうわけだ。これからの研究にも期待だね。
\自分の中の先祖の存在を調べてみる/
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