こけしママンこんにちは、こけしママンです
今年の春は、「プラダを着た悪魔2」の公開がありました。メリルストリープが演じ、悪魔とまで呼ばれた伝説の女性編集長は実在のモデルがいたことは有名です。驚いたことに、モデルと言われ「Vogue」の元編集長であるアナ・ウィンターと、大女優のメリルストリープには血縁関係があるというのです。
気になるポイントへSKIP!
プラダを着た悪魔2公開直前に飛び込んだ衝撃ニュース
2026年4月2日、NBC「TODAY」が独占スクープとして報じたニュースがSNSを駆け巡りました。
Ancestry.comは700億件の記録とパブリックファミリーツリーを活用し、ストリープとウィンターが5th great-grandparents(曽祖父母の5世代上)であるトーマス・スミスとエリザベス・キンジー夫妻を共有していることを確認した。



映画の公開直前にこの情報を出すとは、Ancestry.comのプロモーション的な要素もあるのかな。



欧米では、遺伝子調査や家系調査の市場規模は拡大し続けているからね。
1983年にユタ州で創業した Ancestry Publishing を起源とする、世界最大の系譜調査プラットフォーム。現在はユタ州レーヒに本社を置き、オンライン家系図サービス「Ancestry.com」は1996年に開始された。提供する歴史記録数は膨大(国勢調査・教会記録・移民船名簿など)で、ユーザーは家系図を作成・公開できる。DNAキットの販売実績は累計2,000万件超。
二人はどんな関係?共通の祖先がいる呼び名を解説
Ancestry.comが二人の親戚関係を発表してわずか数日後、Vogue は「Do You Know Each Other?」というタイトルの短編動画を公開しました。動画内で親戚関係に直接言及はありませんでしたが、このタイミングで二人を共演させたのは明らかに意図的で、原作モデルとその役を演じた女優という関係性に、さらに共通の祖先を持つ者同士という新しい意味が重なり、まるでメタファーのように作品全体の味わいを深めています。



さすが長年メディア最前線に立ってきた二人。見せ方がうますぎる。
さて、この二人、英語では「6th cousins」の関係という説明がされていますが、日本語にするとどのような関係なのでしょうか。
英語 日本語|共通の祖先が何世代前にいるかで変わる呼び方
| 英語表記 | 日本語 | 共通の先祖 | 世代上 |
|---|---|---|---|
| 1st cousins | いとこ | 祖父母 grandparents | 2世代上 |
| 2nd cousins | はとこ | 曽祖父母 great‑grandparents | 3世代上 |
| 3rd cousins | 三従兄弟(姉妹) | 高祖父母 2nd great‑grandparents | 4世代上 |
| 6th cousins | 六従兄弟(姉妹) (今回の二人) | 高祖父母の曾祖父母 5th great-grandparents | 7世代上 |



英語の “5th great-grandparents” の “5th” は「great」の数だから、grandparents(2世代)+ great×5 = 7世代上が正解ってことだね。



親族の名前の呼び方は日本語でも難しいよね。「はとこ」ですら、少子化の現代では特に、日常的に使う言葉ではないから、ややこしい。
「6親等のいとこ」は誤訳
実はこの6th cousinsという英語がとてもややこしく、誤訳として「6親等のいとこ」という日本語に変換されることがあります。
日本語の「親等」は自分からの距離で決まり、英語の 〇nth cousin は「共通祖先が何代前かで決まる」という、まったく別のルールです。 同じ数字でも指している意味が違うため、6th cousins を「6親等のいとこ」と訳すと必ずズレが生まれます。 体系が違う数字を直訳してしまうことが、誤訳の原因です。
メリル・ストリープとアナ・ウィンターの家系図
共通祖先トーマス・スミスとエリザベス・キンジー夫妻
二人の共通祖先であるトーマス・スミスとエリザベス・キンジーは、18世紀のアメリカ・ペンシルバニア州バックス郡(Bucks County)に暮らしていた夫婦です。バックス郡はフィラデルフィアのすぐ北に位置し、17〜18世紀にクェーカー教徒やイギリス系移民が多く定住した地域として知られています。この地域には当時の教会記録や土地記録が比較的多く残されており、こうした史料が今回の血縁関係の特定に役立ったと考えられます。
スミスとキンジーはペンシルバニア州バックス郡に居住しており、その土地は「プラダを着た悪魔」の原作者ローレン・ワイズバーガーが育ったアレンタウンからわずか約32km(20マイル)の場所でもある。
出典:NBC TODAY(2026年4月2日)
※Ancestry.com(2026年4月2日発表)の調査データをもとに当ブログが独自デザインで作成。両者とも母方の系統でバックス郡に接続。
ストリープ側の系統——ペンシルバニアに深いルーツ
ストリープはニュージャージー州サミット生まれですが、母方の系統をたどるとペンシルバニアへ行き着きます。母方の祖父ハリー・ロッカフェロー・ウィルキンソンはバックス郡ラッシュランド生まれ。その系統の上流にキンジー家(Elizabeth Kinsey)が存在することで、今回の共通祖先との繋がりが確認されました。
さらに遡ると、ストリープの8世代前の祖先ローレンス・ウィルキンソンは17世紀にロードアイランドへ入植した最初期のヨーロッパ系移民の一人で、その孫がクェーカー教徒としてバックス郡に定住したとされています。バックス郡には現在も「ウィルキンソン通り」という地名が残っているほどです。
ウィンター側の系統——ロンドン生まれでも母はアメリカ人
アナ・ウィンターはイギリス・ロンドン生まれ。父チャールズ・ウィンターはイギリス人のジャーナリストです。一方、母のエレノア・トレゴ・ベイカー(1917年生)は生粋のアメリカ人で、ペンシルバニア州ハリスバーグ出身。1940年に結婚してロンドンへ渡った「第一世代」です。
つまりアナ・ウィンターが「イギリス人」として認識されているのは父方の影響であり、母方のルーツはペンシルバニアのアメリカ人家系。だからこそバックス郡で繋がる、という話が成立するのです。
血縁関係は確実なのかDNAで考える


7世代上に共通の祖先がいる場合、DNAが一致する確率は?



遺伝子検査で親族を探している私としては、7世代に共通の先祖がいる場合、どれくらいの確度で血縁関係を証明できるのか気になるところ。



共通の先祖が、高祖父母の曾祖父母レベルだと、共通する遺伝子のパーセンテージは限りなく少ないんだね。



場合によっては、それぞれが共通する遺伝子をもっていないこともあって、その際はマッチングも難しいだろうね。
Ancestryの調査はDNA検査ではなく記録マッチング
今回のAncestryの発表は、二人のDNAを実際に採取・比較したものではありません。あくまで「歴史記録+ファミリーツリーのマッチング」によって導き出された系譜上の調査です。
Ancestry.comのファミリーツリーは、世界中のユーザーが自分の家系情報を登録する参加型データベースです。その規模と充実度は圧倒的ですが、一方でユーザーの入力ミスが連鎖コピーされるツリーシェイキング問題も指摘されています。7世代の間に一か所でも誤りがあれば全体の信頼性に影響します。



DNA的に確認できなくても、記録ベースの系譜調査としての価値は十分ありそう。今回バックス郡という記録が充実した地域・時代だったことも信頼性を高める要素。「完全な証明ではないが、高い蓋然性がある」というスタンスで読むのがよさそう。
欧米でここまで家系図を遡れる理由——日本との違い
教会記録(Parish Records)は17世紀から、米国センサス(国勢調査)は1790年から10年ごとに体系的に整備されてきました。Ancestry.comの「70億件」という記録数は誇張ではなく、これらをデジタル化・OCR処理して蓄積したものです。さらにユーザーが自分のファミリーツリーを登録・公開することで、見知らぬ人の調査結果と自分のツリーが「マッチング」されて繋がっていくため、そのネットワーク効果が今回のような発見を可能にしています。
一方、日本の戸籍は明治以降しか遡れないうえ、非公開が原則なので他人の家系と自動的に繋がる仕組みはありません。寺院の過去帳や旧土地台帳を使えば江戸時代まで遡れることもありますが、欧米のような「参加型の大規模データベース」は現状ほぼ存在しません。



FamilySearch(モルモン教=LDS教会が運営する無料サービス)は日本語にも対応していて便利で、戸籍より前の時代まで遡れるケースもあります。実際に私も使ってみて、戸籍には載らない親戚を発見できました。ただし、共同編集型ツリーのため使い勝手にクセがあり、誤編集や統合の難しさも感じました。



戸籍を取り寄せる段階までは割と簡単にできてたけど、江戸時代の調査は、こけしママンも現在進行形で苦労しているよね。
もう一つの偶然——バックス郡と「プラダを着た悪魔」の不思議な縁


実はこの話にはもう一つ、偶然の物語があります。
ストリープとウィンターの共通祖先が暮らしたペンシルバニア州バックス郡。その場所は、「プラダを着た悪魔」の原作小説を書いたローレン・ワイズバーガーの故郷・アレンタウンからわずか約32km(20マイル)の場所でもあるのです。
ワイズバーガーはウィンターのアシスタントとして働いた経験をもとにこの小説を書いたとされています。ウィンターがモデルとされるキャラクターを演じたストリープが、実はウィンターと同じ土地にルーツを持ち、同じ先祖の子孫である——この三つの縁は、「事実は小説より奇なり」を地で行く、興味深い話だと思います。



私たちは元をたどればみんなアフリカから旅をして全世界に広がってきた。どこかで共通の先祖を持つのは統計的に確かだけど、こうして現実の話となると、人生の不思議を感じる。



ほんと。人と人の縁って、どこでつながっているか分からないものだね。
日本だけでなく、欧米で家系調査がブームになっているのは、こういった面白さが背景にあるのかもしれません。私の家系調査の旅もまだまだ始まったばかり。この先に、いろんな出会いが待っているのかもしれません。


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