この記事は、「家系図作りはAI頼みだと迷いやすい」の続編です。前の記事では、AIだけに頼ると家系図調査でつまずきやすい理由と、書籍で学ぶことのメリットをお伝えしました。
ここでは、私が実際に読んでよかった本を3冊、詳しくご紹介します。はじめの2冊は手続きの知識を学べる実用書、最後の1冊は調査へのモチベーションを上げてくれる番外編です。いずれも2025年出版の最新書籍です。
- 家系図づくりを始めるにあたり、何から読めばいいか迷っている人
- 広域取得制度に対応した、信頼できる書籍を探している人
- 3冊の中から自分に合うものを、比較して選びたい人
家系図調査の方法を知る本
『家系図をつくる。』/長峰英太郎(2025年)
この本がすごいのは、著者自身が家系調査を進めていく中で、戦国時代に空白期間はあるものの、最終的に古墳時代の豪族にまでつながる家系図を作り上げてしまったことです。戦国以前は推測も含まれますが、それでも家系図が理想形へと組み上がっていく過程を見られるのは、この本ならではの魅力です。
図解が各見開きごとに一つは入っていて、戸籍の読み方や調査の流れが視覚的に理解できるのもおすすめできる点です。文章だけではつかみにくい部分も、図を見るとスッと頭に入ってきます。実際に戸籍取得した際に戸籍を読み解く際にも役に立ちます。
さらに、改製原戸籍の年度ごとの違いや、戸籍制度の歴史についても丁寧にまとめられていて、「なぜ今の戸籍がこうなっているのか」という背景まで理解できます。また、実際に市役所でどのように依頼すれば戸籍をたどりやすいかの説明もあります。
監修の渡辺宗貴さんは家系図制作を専門に行う行政書士で、実務に基づいた知識がしっかり反映されているため、情報の信頼性という点でも安心して読める一冊でした。まさに、家系図づくりの”基礎体力”をしっかりつける本といえます。

峯さんは家系図づくりを”究極のエンターテインメント”と表現しています。私も実際に家系図調査をしながら、過去と現在がつながっていくあのワクワク感は、本当にその通りだと感じます。
- 戸籍の仕組みや歴史を基礎からしっかり学びたい人
- 図解で視覚的に理解したい人
- 家系図調査の”全体像”をまず把握したい初心者
『家系図作ってみませんか?』/丸山学(2025年)
著者の丸山学さんは、ご自身のYouTubeチャンネル「1000年家系図」を主宰する行政書士で、これまでにも家系図に関する書籍を数多く出版してきた方です。本書では、その丸山さんが実際のクライアント事例をもとに、家系図調査の進め方や最新情報をとても丁寧に解説してくれます。
紹介されているクライアントのケースはどれも背景が異なり、一つひとつに物語があります。家族の歴史をたどることが、こんなにもドラマチックで奥深いものなのだと改めて感じさせられました。
また、先述の永峯さんが「基本は本籍地で戸籍を取得するのがよい」というスタンスなのに対し、丸山さんは広域取得の活用方法にも踏み込んでいて、具体的なコツ(役所に事前に電話をして確認する内容など)まで教えてくれます。広域取得をどう使いこなすか知りたい人には、とても参考になる部分です。
後半にはQ&Aコーナーもあり、本編では広い切れなかった内容にも細やかに答えてくれます。家系図づくりをこれから始めたい人にも、すでに調査を進めている人にも役立ちますし、専門家に依頼する際にも事前に読んでおきたい、実践的で読み応えのある一冊でした。



丸山さんは「ご先祖探しは究極の自分探し」と語っています。私も家系図を作成中、自分の中に流れているものや、家族が積み重ねてきた時間をふっと感じる瞬間があって、その言葉の意味が少しずつ分かってきたように思います。
- 広域取得制度を積極的に活用したい人
- 実際のクライアント事例や体験談を多く知りたい人
- 実践的なコツを知りたい人
番外編 調査のモチベーションを上げる一冊(物語)
『千年たどる家系図物語(ヒストリエ)』/渡辺宗貴(2025年)
実用書を読んで手法を学んだあと、次に手に取ってもらいたいのがこの本です。著者の渡辺宗貴さんは、家系図作成代行センターの代表を務める行政書士で、前述の『家系図をつくる。』の監修も務める家系図作成のプロです。本書はノウハウを解説する実用書ではなく、家系図にまつわる物語として描かれています。
物語は、大学生の主人公が亡き父の遺品を整理中、家系図調査に乗り出すところから始まります。地道な戸籍調査から始まるプロセスはリアルで実践的。しかし、調査が進むにつれ、主人公の家系に潜む、ある歴史的真実が浮かび上がってきます。
それはまるで日本版『ダ・ヴィンチ・コード』ようで、日本の歴史の大きなうねりと主人公の血筋が交差していく展開に、わくわくハラハラさせられました。
家系図作りで過去をさかのぼると、歴史上の意外な人物にたどりつくことがあるかもしれません。日本にいても、ダ・ヴィンチ・コードと同じスケール感で歴史に触れる可能性がある——それが「家系の物語」なんだと、この本を読んで改めて感じました。



実践と物語、両方そろって家系図調査がさらに楽しくなる気がします。
- 実用書を読み終えて、さらにモチベーションを上げたい人
- 説感覚でサクサク読みたい人
- 家系図調査の「ロマン」を感じてみたい人
家系図の本比較まとめ





もし自分の出向く役所の所在地に代々本籍地がある場合は、広域取得制度を使用しなくても取得できるので、その場合は広域取得制度のことは気にしなくても大丈夫です。
| 『家系図をつくる。』 | 『家系図作ってみませんか?』 | 『千年たどるヒストリエ』 | |
|---|---|---|---|
| 楽天Amazon | 楽天 Amazon | 楽天 Amazon | |
| 特徴 | 図解豊富・基礎から体系的に学べる | 事例豊富・広域取得の活用法が詳しい | 戸籍調査がリアルに描かれた歴史が絡んだミステリー |
| スタイル | 著者自身の調査体験をもとに解説 | クライアント事例をもとに実践的に解説 | 大学生の主人公が、プロに助けを借りながら家系の謎をたどる物語 |
| 広域取得 | 基本は本籍地での取得を推奨 | 広域取得のコツまで踏み込んで紹介 | 描写なし |
| おすすめ対象 | 全体像を細かく把握したい人 | プロの調査実例を知りたい人 | 調査のロマンを感じたい人 |



比較表見ると分かるように、「千年たどるヒストリエ」だけ別カテゴリだね。ほかの実用書2冊はインプットでで、これはモチベーション用って感じで、役割が違う。
まずは全体像を把握したい初心者には、図解豊富な『家系図をつくる。』から入るのがスムーズです。さらに、広域取得制度を使って調査を進めるつもりなら、『家系図作ってみませんか?』は必読です。実践的なコツが詳しく載っているので、手続き前に必ず目を通しておくことをおすすめします。
『ヒストリエ』は必読ではありませんが、家系図の世界にどっぷり浸りたい方にはぜひ手に取ってほしい一冊です。実用書2冊で「手法」を学んだあと、この物語で「なぜ調べたいのか」という気持ちをさらに深めてみてください。
まとめ
ご紹介した3冊は、いずれも2025年刊行の最新書籍で、専門の行政書士が監修・執筆に携わっています。AIの一般論では補いきれない、実務の知恵や深いロマンが詰まっています。
- 基礎を固めるなら:図解が豊富で、最新の「広域取得」にも触れた『家系図をつくる。』
- 実践を極めるなら:最新事例から「広域取得」のコツまで踏み込んだ『家系図作ってみませんか?』
- 物語に浸るなら:家系に潜む歴史の謎を追うミステリー『千年たどる家系図物語(ヒストリエ)』
家系図作りで過去をさかのぼると、歴史上の意外な人物にたどりつくことがあるかもしれません。日本でも、『ダ・ヴィンチ・コード』と同じスケール感で歴史に触れる可能性があるもの。それこそが「家系の物語」なのだと、これらの本を読んで改めて感じました。
実用書で「制度」と「やり方」を学び、物語で「情熱」を蓄えてから市役所へ向かうことで、窓口でのやり取りも、その先の調査もぐっとスムーズでワクワクするものになるはずです。あなたのルーツを探す壮大な冒険の第一歩として、ぜひ手に取ってみてください。




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